薬学・医療系

診療放射線技師

医療機器を取り扱う専門職

年々高度化する医療現場の取扱機器の中でも、とりわけ専門的な知識が必要とされるのが放射線を扱う機材です。

私達は毎年の健康診断や病気が疑われるときの検査としてX線撮影や超音波検査などを行っていますが、これは取扱方法を誤ると健康被害を受ける可能性もある大変危険な技術を使用したものです。

しかし放射線を使用する機材の性能は大変に高く、現代医療においてはなくてはならないものとなっています。

そこで安全にそれらの機器を使って検査や治療をしていくために必要な人材となるのが診療放射線技師です。

診療放射線技師はアルファ線、ガンマ線、電磁波といったさまざまな放射線を使用する機器を操作して、医師や歯科医師の指示のもと必要な検査・治療を行っていきます。

就業するためには事前に専門の国家試験に合格をしていなくてはならず、試験を受けるまでには養成課程のある大学や専門学校で必要な単位を修得しなくてはいけません。

高度医療の専門家として活躍をするのがこの診療放射線技師なので、医療関連の資格・仕事の中でも人気が高い職種となっています。

診療放射線技師として仕事をするためには

診療放射線技師として仕事をするためには、事前に国家資格を取得しなくてはいけません。

国家試験には受験資格があり、最短で取得する場合にはまず養成課程のある大学もしくは専門学校で3年以上の課程を修得しそれから試験を受けます。

なお診療放射線技師の資格は昭和58年に法律が改正されており、それ以前までは学校や養成所で1年以上の課程で資格を取得することができるようになっていました。

試験は毎年2月中旬に行われており、卒業予定の年度に卒業見込みの者として試験を受けることが可能です。

試験で問われる内容としては、基礎医学に加えて放射線生物学や放射線物理学など放射線に関する基礎知識と、具体的なX線撮影技術などが含まれます。

資格を取得したあとには実際に放射線を使用する機器を所有する病院や診療所などの施設からの求人を受けて就職をしていくことになります。

大きな病院に勤務をすると、新たに導入される最先端の放射線機器を取り扱うという体験ができます。

一方小さな診療施設や病床の少ない小病院においては一般的なレントゲン撮影やバリウムによる透視検査などが中心となります。

病院以外でも財団法人が運営する検査専門の施設からも求人が出されることがあります。

診療放射線技師が取り扱うことができる機器

診療放射線技師の業務範囲は年々広がっています。

大きな病院で勤務をする場合、診療放射線技師はいくつかの職務分野の中のいずれかに配属されることになるため、全ての機器を操作できるとは限りません。

主な診療放射線技師の配属としては「画像検査部門」「核医学検査部門」「放射線治療部門」といったところがあり、それぞれの専門に従って機器を扱っていきます。

現在大きな病院のほとんどに置かれている機器としては、X線撮影やCT撮影のための機器、血管造影撮影(アンギオグラフィー)や回診撮影といったものがあります。

放射線は仕様しないものの、MRI検査や超音波検査(エコー)、眼底検査も診療放射線技師の仕事となることがよくあります。