化学・生物・農学系

農業系研究・技術者

今注目される農業技術者

日本は有史以来の農耕文化によって成り立ってきた国ということもあり、農業という仕事に対しての意識やモチベーションはかなり高いものとなっています。

しかし一方で海外からの輸入作物が多く販売されるようになってきたことにより、これまで農業を営んできた地方の農家が廃業に追い込まれたり、人手不足により思うように作物を作ることができなくなってきたという問題も起こっています。

そこで世界から品質の高さが評価されている日本の農作物文化を復活させるために注目をされているのが、新たな技術を導入することによる「新しい農業」です。

これまでの人力に頼ってきた農業ではなく、新たに科学的な見地からより効率よく量産をすることができるようにするための農業研究が全国の施設や団体で行われています。

大学においても農学部でバイオテクノロジーや環境生物学を専攻する学生は増加傾向にあり、今後はより優秀な人材が農業研究を志してくれることが期待されています。

農業研究・技術者になるためには

農業研究・技術に関する仕事に就くために特に何らかの資格を取得しなくてはならないということはありません。

そのため研究に必要な知識を自分で学校などで修得をしなくてはいけません。

一般的なルートとしては、まず高校を出て大学や短大の農業系学部を卒業をします。

それから民間企業や団体で行っている研究チームへと参加をしていくということになります。

現在では農業を行う団体も法人化ができるようになっているため、これから民間の農業企業や団体も増えていくことが予想されます。

現時点では民間の農業研究団体はそれほど数が多くないため、地方公務員として農業が盛んに行われている都道府県の公的研究機関に所属するという人も多く見られています。

公的研究機関に入るためには事前に公務員試験に合格しなくてはいけないという手間がありますが、一旦就職をすることで安定的に長く研究に携わっていくことができます。

ただし研究職という職業の性質上、大学で農業を専攻しただけの学歴よりも大学院で研究の方法をしっかり身につけた人の方が採用されやすいという傾向はあります。

高校卒業や大学卒業後に公的研究機関に入った場合には、いきなり研究職に就くのではなくまずは農協職員などとして農業の現場で数年実務経験を積んでそれから本人の希望や適性によって研究職になるということが多くなります。

地方公務員として採用される場合には地域によって採用条件をあらかじめ提示していることもあるので、まずはそれぞれの自治体の募集状況を調べておくとよいでしょう。