電気・電子系

電気工事士

電気工作物の工事に必要な資格

電気工事士は、一般住宅や商業施設、工場施設など数多くの建物で使用される電気設備を設置するための工事をする資格です。

電気設備は正しい取扱方法がわからない人が設置工事をしてしまうと、工事を担当する本人の身に危険が及ぶだけでなく、設置後に重大事故が起こってしまう可能性があります。

そこで電気の性質について専門に学び、設置をするためにはどういった技術が必要であるかという知識を備えた人材によって行うようにしたのがこの資格の制度です。

電気工事士は排他的業務を担当することができる国家資格として位置づけられており、資格があるかないかで電気工事で携わることができる範囲が大きく異なってきます。

転職にもかなり有利となっており、資格を持って就職することで職能手当がつくこともあります。

電気工事士の資格は住宅工事に必要になる資格の中でも初歩的なものとなっているので、まずはこの資格をスタートとして次々技能を伸ばしていくということもできます。

電気工事士の資格について

電気工事士は国家資格であり、第一種と第二種の二段階の制度となっています。

試験は第一種、第二種それぞれ年に1回行われており筆記試験と技能試験の2つによって合否を判定していきます。

第一種と第二種の違いは資格取得によって取扱をすることができる工作物の範囲にあり、第二種電気工事士の場合には「一般電気工作物」と言われる住宅や小規模な建築物の設備までの取扱ができるのに対し、第一種電気工事士になると事業用のビルや工場などの電気工作物の工事もできるようになります。

第一種でも最大電力500キロワット未満までという制限はあるものの、ほとんどの施設の取扱が可能です。

当然のことながら第一種と第二種とでは試験の難易度が異なっており、合格率は第二種では約45%程度であるのに対し第一種は25~35%の間で推移しています。

試験で問われる設問では第一種・第二種ともに電気に関する基礎理論や配電理論や設計、電気機器の仕組みなどについてです。

第一種・第二種ともに試験は筆記と実技がありますが、どちらも第一種の方が段違いに難しい内容となっています。

とはいえ過去問をしっかり繰り返し学習して出やすい問題傾向をおさらいしていけば筆記試験を通るのはそれほど難しいことではありません。

ただし実技は話が違い、実際に何度も電気設備を使って練習をしていかないと合格をするのは難しくなります。

第一種になるとかなり複雑な設備もその場で作らないといけなくなるので仕事をしながら日々練習をしていきましょう。

なお電気工事士の資格試験には受験資格があり、所定の実務経験期間もしくは学校での課程修了が必要となっています。

資格取得後の就職先

電気工事は全国の住宅メーカーや工務店など設備設営の仕事をする企業で広く募集をされています。

主な就職先となるのは電気工事会社やビル管理会社となっていますが、十分に経験を積んで工事を独自に行うことになることで独立開業をしたり個人で仕事を受け付けたりすることもできます。

個人で開業する場合には第二種の資格で十分であり、資格による開業制限はありません。