電気・電子系

電子技術エンジニア

高度な電装機器の工事や設置をする仕事

「電子技術エンジニア」とは、主に半導体などの高度な電子機器を使用した製品を製造もしくは設置工事をするための専門職です。

「電子技術エンジニア」という職業名称は特定の資格所有者などをさすものではなく、電気に関する業務を全般的に行うことができる専門技術者に対して呼ばれる総称です。

しかし全く無資格で就くことができる仕事というわけではなく、特定の電気製品を扱う業務に携わるためにいくつか必要となってくる資格があります。

代表的なものとしては電気工事の責任者として必ず備えなくてはならないとしている国家資格の「電気主任技術者」や、実用的な能力を備えられるとする技能検定試験である「E検定」があります。

電気主任技術者は第一種~第三種までの三段階の試験制度となっており、それぞれの段階により取扱をすることができる電圧数が決められています。

最も難易度の高い第一種電気主任技術者となると全ての事業用電気工作物を取扱することができるようになるため、現場で電気工事を行いながら監督者を目指すときに必ず取得をしていきたい資格です。

電気工事技術者注目の「E検」とは

「電気主任技術者」は国家資格ですが、もう一つ電子技術エンジニアになるためにとっておきたいのが「E検定」という電気・電子系技術検定試験です。

E検定を主催しているのは電気・電子系技術者育成協議会という団体で、実際に電装工事を行う大手企業も多く協賛しています。

企業内の社内認定や人事評価制度に利用をしているところも多く、電子技術エンジニアとして就職をしていくためにはほぼ必須の資格となっています。

対象とされているのは若手からベテランまで幅広く電気や電子に関する業務に携わる人で、特に受験資格はないので学生や教育関係者からも多く受験されています。

出題分野となっているのは全9種で「電子回路」「デジタル」「電気回路」「電磁気」「半導体」「実装」「信頼性設計」「計測」「コンピュータ」となっています。

これらはレベル1~3までの三段階の問題設定となっており、受験は能力にかかわらず全ての受験生が同一の試験を受けることになっています。

試験を受けると後に自分の試験結果や得点の内容について細かく分析したシートを受け取ることができます。

得点数によって「エキスパート」「シニアエキスパート」「エバンジェリスト」として称号が与えられるとともに、特定の分野に限定して受験をした場合には「特級」「上級」「中級」の三段階として判定されます。

試験の内容となっているのは実際に現場で使用される電気回路や半導体回路などから制作されており、試験の学習をすることで机上の知識ではなく実際の現場でそのまま役立つ能力として使用することができます。

転職などをするときにもものE検でどのくらいのランカーであるかがかなりわかりやすい人材評価となるので、もし電気関連業界に就職を希望しているなら事前に個人で受けておくということがすすめられます。

電子技術エンジニアの就職先となる企業

私達の生活に電気は欠かせないものであることからわかるように、電子技術エンジニアとしての就職先も非常に多くの分野に存在しています。

主なものとしては電装機器メーカーとなる「電池メーカー」「自動車部品メーカー」「電線メーカー」といったところをはじめとし、他にも「モバイル機器部品メーカー」や「港湾運送業」「データ通信システム関連業」「理化学器械器具製造業」といったところからも頻繁に求人が出されています。

こうした製造の現場においては実際の組み立て作業だけでなく、品質管理や設計、営業といった仕事を任されることもあるため、就業年数を重ねることによりキャリアアップもしやすくなります。